家づくりの内訳書

家を建てるために必要な費用は、「本体工事費」「附帯工事費」「諸経費」「その他費用」で構成されています。
一般的によく言われる 「坪単価」 は、 「本体工事費」 のみの金額のこと。
「附帯工事費」 「諸経費」 「その他費用」は含まれてないことが多いのです。
予算を考えるときは、「坪単価」だけではなく「附帯工事費」「諸経費」「その他費用」のこともお忘れなく。

本体工事費

その名前の通り「建物本体」の工事費で、総予算の約70%を占めます。
一般的によく言われる「坪単価」はこの本体工事費のみの金額のこと。
後で説明する、「附帯工事費」 「諸経費」 「その他」 の費用が別に必要となります。

例えば、「坪50万円で30坪の家を建てるぞ!」という場合、「総予算で約2,200万円程度必要だ」という計算になります。

附帯工事費

通常これら附帯工事費は、総予算の約15%(本体工事費の約20%程度)を占めます。
附帯工事費は「敷地条件」や「計画内容」による増減が非常に大きい為、
少々余裕を持った資金計画をしておく事をお勧めします。

  • 地盤改良工事費
    建設地の地盤が軟弱で基礎や建物を支えきれないと判断された場合に用いられる工事です。
    中規模以上の工事や非常に軟弱地盤での工事になると地盤改良ではなく、杭基礎が用いられます。
  • 解体工事費
    既存建物,地中障害物の撤去工事の費用です。
    希ではありますが、敷地は更地であっても地中にコンクリートの固まりが埋まっている場合もあります。
    解体工事費は、木造住宅の場合で 約30,000円/坪 、鉄筋コンクリート造住宅の場合で 約50,000円/坪 が目安です。
    敷地の形状や道路よって、割増費用が必要になる場合があります。
  • ガス水道電気引き込み工事費
    本管からの引き込み工事は、自治体ごとの指定業者が行うため本体工事には含まれません。
    水道,ガスは以前から宅地であった場合などで、既設のものが現行基準を満たしていれば利用することが可能です。
  • 電話やCATV等通信回線の引き込み工事費
  • 冷暖房工事費
    冷暖房の取付下地や電源,配管スリーブなどは本体工事費に含まれます。
    機器代や取付け費は、この附帯工事費として計上されます。
  • 外構工事費
    門扉やフェンス,アプローチ,駐車場,植栽,外灯などの費用です。
    規模や仕様により金額の増減が大きい工事ですが、目安としては本体工事費の10%前後程度でしょう。
  • 照明・カーテン工事費
    照明用配線やスイッチ工事費までは本体工事費に含まれます。
    照明器具代,カーテン・ブラインド・ロールスクリーン代が附帯工事として計上されます。
    カーテン・ブラインド・ロールスクリーン代は300,000~500,000円程度は必要でしょう。

諸経費

工事に必要な「調査・設計費」や「税金等」の費用です。
概ね以下の諸経費が必要で、総予算の約15%(本体工事費の約20%程度)を占めます。

  • 敷地測量費
    土地を購入したときに測量図があれば不要です。
    敷地測量費用の目安は300~500円/㎡程度です。
  • 地質調査費
    基礎の設計に必要なデータである地耐力を測定する調査です。
    住宅等では、スウェーデン式サウンディング法で調査致します。(費用は50,000~60,000円程度です)
    中規模以上ではボーリング調査を致します。(費用は200,000円~程度必要です)
  • 設計監理費
    プラン検討から工事に必要な設計図の作成までの設計業務。
    工事が設計図通りに正しく行われているかを監理する工事監理業務、これらに対する報酬が設計監理費です。
    ハウスメーカーや工務店でも必ず設計図を作成し、それに基づいて工事をしています。
    当然ここにも建築士が関わりコストが発生していますが、これを工事費に含むことで設計無料とすることが出来るのです。
    また、設計監理を第三者である設計事務所が行うことで、工事の品質監理やコスト監理が正しく行うことができます。
  • 設計契約・工事契約などの印紙代
  • 建築確認申請・検査などの手数料
    役所または建築確認検査機関へ建築確認・中間検査・完了検査の申請時に必要な手数料。
    規模や構造により費用は増減します。
    本事務所の設計監理料にはこれらの費用も含まれております。
  • 登記費用(各登記費用,司法書士・土地家屋調査士報酬など)
    建物が完成しますと、表示登記をする必要があります。
    金融機関で融資を受ける場合には必ず、表示登記の後に保存登記が必要です。
    表示登記は土地家屋調査士が代行して行います。登録免許税は不要ですが報酬として70,000~80,000円程度必要です。
    保存登記は司法書士が行います。規模や評価額により増減はしますが、登録免許税と報酬を併せて150,000円程度必要です。
  • 銀行ローン・公庫融資などの費用(手数料,保証料など)
    住宅ローン借入時の金融機関への事務手数料や、保証会社への保証料が必要です。
    保証料は、借入金額と返済期間,金融機関により増減します。最近では保証料無料の金融機関もあるようです。
  • 税金(不動産取得税,固定資産税,都市計画税)
    不動産取得税 は、土地や建物など不動産の取得時に一度だけ課税される税金です。
    固定資産税・都市計画税は、不動産を取得したその翌年から毎年必要となる税金です。
  • 火災保険料
    通常、住宅ローンを借りる際には住宅の建物部分について、火災保険への加入が義務づけられています。
  • 引越し費用
    建て替えの場合、2回分の引越し費用が必要。
    また、仮住まいに入りきらない荷物がある場合、トランクルームなどの費用も必要です。
  • 仮住まい費
  • 祭事費(地鎮祭,上棟式など)
    地鎮祭は、起工の前に土地の神を祭り、工事の無事を祈る儀式です。
    上棟式は、棟を上げ建方が無事に終わったことを感謝し、また完成まで無事に工事だ進むよう祈願する儀式です。
    また、式の後に直会を行い工事関係者に気持ちよく仕事を進めてもらうためのもてなしの意味もあります。

その他費用

工事を円滑に進めるためにこれらの費用も必要でしょう。

  • 工事中の現場へのお茶菓子代
  • 近隣への挨拶の粗品等